理事長あいさつ

 

 青森糖尿病療養指導研究会(ADES)は青森県内の医療従事者に対して、糖尿病療養指導に関する正しい知識や技術を普及し、糖尿病療養指導士を育成するとともに、地域における糖尿病療養の啓発を図る事業を行うことで、糖尿病患者の福祉の向上に寄与すること、さらに、糖尿病を含む生活習慣病の予防、ケアに関する研究・調査や教育活動・支援を行い県民の健康増進に寄与することを目的に平成12年7月に設立されました。また、平成19年1月に特定非営利活動法人として認証され活動を続けています。

 糖尿病患者の療養指導に必要な正しい知識・技術を身につけ、患者や家族の皆様に適切な療養指導と1次から3次予防についての普及活動ができる青森糖尿病療養指導士(ACDE)の認定事業は平成13年より青森県医師会、青森市医師会、青森県看護協会、青森県栄養士会、青森県薬剤師会、青森県病院薬剤師会、青森県臨床検査技師会の後援をいただいて行われ、現在、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、臨床心理士、歯科衛生士など総数1,004名のACDEが各地で活躍しています。また、糖尿病患者の高齢化に伴い、医療、介護、福祉関連従事者の連携がより一層重要になってきています。昨年度よりACDEは福祉、介護に従事する方々も取得可能となっています。

 糖尿病は初期には自覚症状が出にくいことから、治療を放置・中断される方も少なくありません。さらに、知らないうちに病状が進行し、失明や腎不全、心筋梗塞、脳梗塞、壊疽、歯周病、認知症、がんなどを合併し、QOL(生活の質)の低下や生命予後の悪化、医療費増大などの問題を引き起こします。

 糖尿病の治療薬はインクレチン関連薬やSGLT2阻害薬、さらに週1回投与製剤、種々の配合薬、経口のGLP-I受容体作動薬も開発され、インスリン等の注射薬と合わせ、治療の選択肢がひろがっています。今後も新たな薬剤の開発が期待されますが、治療の基本が食事・運動など生活習慣の改善であることは変わりありません。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、医療を取り巻く環境や社会生活のあり方は大きな変化を求められています。

 今年度の青森糖尿病療養指導研修会はハイブリット形式で開始しましたが、感染拡大に伴い第3回研修会からはオンラインのみでの開催といたしました。

 適切な糖尿病治療をすすめるには、知識と経験豊かな糖尿病療養指導士によるチーム医療が重要です。今後もACDEの皆様の糖尿病療養指導に対する取り組みが充実できるよう、研修会の開催や情報発信に努めてまいります。

 毎年3月に開催している市民向け公開講座「糖尿病オープンセミナー」も継続していきます。

 当研究会は、糖尿病を中心とする生活習慣病に対する啓発、予防と治療に向けての活動を今後も展開していきます。

 皆様のご理解、ご支援をお願い申し上げます。

令和4年7月

特定非営利活動法人 青森糖尿病療養指導研究会

理事長 増田 光男

 
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